アストン マーティン db11。 アストンマーティン

アストン マーティンDB11

アストン マーティン db11

齋藤 2019年にもさまざまなクルマが登場したわけだけれど、ここに登場するのは、4座の高級コンバーティブル3台。 いずれも耐候性に優れた多層構造の幌を備えた、クラシカルなスタイルを打ち出したオープンカーです。 アストン・マーティンDBSスーパーレッジェーラ・ヴォランテ、ベントレー・コンチネンタルGTコンバーティブル、BMW・M850i・xDriveカブリオレがその3台。 下世話な話になるけれど、いずれも高価で、安いBMWでも税込車両価格は1873万円もする。 ベントレーは素の仕様だと2831万7600円だけれど、これは導入初期のファースト・エディションで、それに加えて高級オーディオなども加わって、税込車両価格は総額3677万9300円に達する。 アストン・マーティンにいたっては素の状態で3796万円。 BMWの価格が可愛らしく思える。 新井 BMWはV8ツインターボの4WD、ベントレーはW12ツインターボの4WD、アストンはV12ツインターボのRWDですね。 新井 というところがあらましです。 齋藤 で、こうして軽井沢までを往復してみた、どんなことを感じた? Aston Martin DBS Superleggera Volante 前ヒンジで大きく開くフロント・カウルを開けると、それこそレーシングカーもかくやの構造が目の前に現れる。 重量配分はほぼ50対50。 サスペンション・システムなどは見るだけで本気ぶりが伝わってくる。 クルマは国が作る、文化が作る 新井 こんなことをいうと不謹慎かもしれないけれど、アストンやベントレーと一緒に接すると、BMWって8シリーズといえども普通のクルマなんだなぁと思いましたよ。 齋藤 8シリーズのなかでは現時点で最も高性能で最も高価なのがM850iなのにね。 アストンとベントレーの別格感はさすがに凄かった。 ノーズのなかに押し込んだ大排気量のV12にターボ過給を施して後輪もしくは4輪を駆動する。 4座とはいえ、実際には1人か2人で乗るにすぎないクルマを600㎰オーバー、700㎰オーバーの出力を秘めた12気筒エンジンで走らせる。 しかも、これはオープンカーだから、スピード命のスタイルではないわけだよね。 贅沢の極み。 内外装の仕立てにしても量産車の域を遥かに超えている。 遠く1930年代に隆盛を極めた世界がタイムマシンで今に蘇ったのかと思うような内容のクルマだもの。 荒井 BMWには貴族の匂いがない。 齋藤 アストンとベントレーはどちらも、いかにも階級社会が生んだクルマという雰囲気が漂っている。 荒井 ファースト・エディションでなくてもこの感じは保たれるの? 齋藤 大きく変わらないはずですよ。 荒井 詳しくない人が見たら、高級なのはベントレーだって思うよね。 新井 やんごとなき人が乗るものだって思うでしょう、これを見たら。 齋藤 この個体はオプションで幌屋根がツイード仕立てになってるし。 普通の感覚でも思いつかないものになっているよね。 で、思った。 ドイツも日本と同じように敗戦国なんだなぁと。 どっちも戦後、社会の在りようが激変した国だよね。 階級社会がほぼ完全に葬り去られて、灰のなかから工業立国として蘇った。 ドイツのクルマで戦前を彷彿させるようなものといったら、いまはもうないメルセデス・ベンツの600プルマンぐらいでしょう。 わが世の春を満喫するプレミアム系御三家だって、戦後社会のなかでの開かれた高級を体現するにとどまっている。 荒井 国のありようであったり文化と言われるものがクルマを作るんだなぁって、今回つくづく思ったよ。 齋藤 ドイツが自動車生産超大国になっても、アストン・マーティンやベントレー、あるいはロールス・ロイスのようなものって作れないんだね。 機械工学だけでは作れないクルマだから。 でね、面白いのはベントレーもロールス・ロイスも親会社はいまやそのドイツの自動車メーカーだということだよね。 そういうものは機械工学だけでは作りえないことによくよく自覚的でないと、こうしたパトロン的関係を作ることはできないよね。 もちろん、VWにしてもBMWにしてもこれら英国高級ブランドを買収した時期に陣頭指揮をとっていたのが、類稀な目利きで自動車というものについて並外れた見識のある人間だったという時の恵みがあったにしてもさ。 結果、彼らの自動車機械工学が下支えする結果になったわけだからね。 ベントレーもロールス・ロイスもだからこそ生き長らえて、今がある。 新井 アストン・マーティンにしても、いまあるようなかたちでのアストン・マーティンとして再生したのはフォード傘下にあった時代ですよね。 荒井 こうした英国の高級車に乗ると、世界を動かしているのはヨーロッパのほんとうの上流社会に暮らす人たちなんだなぁって思わされる。 でね、僕らはそうした世界に接する機会すらないわけだよね。 無縁なところで生きている。 ところがさ、クルマではその世界を垣間見ることができるわけだよね。 そういう意味じゃ、とても幸せなことだよね。 齋藤 クルマ世界がさ、やれ二酸化炭素排出削減だ、できないんだったら電動化だ、事故死者数を減らせだ、そのためには自動運転導入だと、社会悪の象徴みたいに槍玉に上がっているこの激動の時代に、こうした古い世界を今に伝える超高級車が最先端の技術に支えられて生き長らえている。 それを許容する社会がある。 Bentley Continental GT Convertible 72度W型12気筒ツインターボ過給エンジンが一分の隙もなく押し込まれたエンジン・ベイ。 これぞ技術の進歩。 それぞれが我が道を行く 荒井 そして乗るとこれがまた、うっとりするほかない。 例えばベントレー。 車両制御プログラムに用意されているあのベントレー・モードの素晴らしさ。 コンフォートもスポーツも要らないんじゃないのって思う。 新井 クーペのGTスピードとかじゃないですからね。 齋藤 まったりと重厚で、きめ細やかで滑らか。 まるで路面が良くなったかのように感じる恭しい乗り心地。 いやぁ贅沢だなぁとうっとりする。 オープンにすると、人は自然に快適な速度に収めようとするから、なおさらゆったりとした時間が流れるようになる。 その時のあの空間全体の上質な感じといったらない。 新井 そしてアストン・マーティン。 齋藤 ドアを開けて乗り込むと、いつものアストン・マーティンの世界がそこにある。 DBSスーパーレッジェーラだからといって取り立てて大きな違いがあるわけじゃない。 運転席に座っただけでは特別感があるわけじゃない。 ただただアストン。 新井 でも走らせると、歴然。 齋藤 725㎰を搾り出すV12ツインターボの性格も、あのいかにもブッシュに頼っていないような、まるでレーシングカーを連想させる脚の感触。 特別感の塊。 新井ランボルギーニでいえばアヴェンタドールのような別物感、別格感、横溢ですよ。 走る機械としての実態は、これぞスーパーカーというものになっている。 ビックリする。 荒井 完全にスーパースポーツのそれだよね。 クルマ全体の動きが。 齋藤 競走馬という意味でのサラブレッド。 ほとんどレーシングカー的。 新井 アストン・マーティンに高級車的な上質感を求めるのなら、DB11でとめておかないと、その硬派ぶりに仰天することになりかねない。 齋藤 そういう類のクルマをお求めなら、ベントレーかロールス・ロイスをお求め下さいっていうスタンスがはっきりしている。 これはアストン・マーティンですから、とね。 荒井 うかつにはスロットル開けられないもの。 少なくとも身体鍛えてドライビング・スキルぐらい研いておいて下さいっていう主張が明確。 齋藤 007を思い出したよ。 新井 そこへいくと、ハイテクの限りを尽くして誰にでも速さの引き出せるBMWにホッとすると同時に、その機械技術力の高さにしみじみと感心することになるんですよねぇ。 齋藤 ヴィークル・ダイナミクスを拡張するために使われている4WDや4WSの完成度の高さが抜群。 運転好きが受け入れることのできる本当の意味での運転支援装置になっている。 先進技術部門でのBMWのリードって確実にあると思う。 新井 4WSも完全に手の内にした感じです。 存在を忘れていられる。 荒井 3台ともそのメーカーならではの個性が濃厚に感じられた。 そこがなんといってもいちばん興味深くて面白かった。 クルマは楽しいよ。

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DB11、DB11 S、DB11ヴォランテの写真・動画など新着情報をお送ります。 DB11 Sのカモフラージュ写真 アストンマーティン DB11 2018 情報(2017年2月21日更新): ハイパフォーマンスモデルのSが開発中です。 【参照】 ヴォランテのカモフラージュ写真 アストンマーティン DB11 2018 情報(2017年2月21日更新): オープンモデルは2018年3月のジュネーブモーターショー発表の予定です。 【参照】 インプレッション動画 アストンマーティン DB11 2018 情報(2016年更新): 河口まなぶ氏によるインプレッション。 Twitter でフォロー• カテゴリー• アーカイブ アーカイブ• 最近のコメント• に 管理人 より• に 管理人 より• に Schumacher より• に 匿名 より• に ともさん より• 関連サイト.

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DB11 VOLANTE

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ポルシェ911ターボ 価格 2236万円 エンジン型式 フラット6 3. 8リッターツインターボ エンジン出力 540馬力 最高速 時速320キロ 0-100キロ加速 3. 0秒 駆動方式 4WD トランスミッション 7速デュアルクラッチ 重量 1595kg ランボルギーニ・ウラカンLP580-2(RWD) 価格 2462万4000円 エンジン型式 V10 5. 2リッターNA エンジン出力 580馬力 最高速 時速320キロ 0-100キロ加速 3. 4秒 駆動方式 後輪駆動(ミドシップ) トランスミッション 7速デュアルクラッチ 重量 1389kg マクラーレン540C 価格 2188万円 エンジン型式 V8 3. 8リッターツインターボ エンジン出力 540馬力 最高速 時速320キロ 0-100キロ加速 3. 5秒 駆動方式 MR トランスミッション 7速デュアルクラッチ 重量 1313kg ホンダNSX 価格 2370万円 エンジン型式 V6 3. 5リッターツインターボ エンジン出力 581馬力(システム合計) 最高速 時速307キロ 0-100キロ加速 3秒 駆動方式 4WD(フロント:モーター、リア:ガソリンエンジン) トランスミッション 9速デュアルクラッチ 重量 1725キロ アウディR8 V10プラス 価格 2456万円 エンジン型式 V10 5. 2リッターNA エンジン出力 610馬力 最高速 時速330キロ 0-100キロ加速 3. 5秒 駆動方式 4WD トランスミッション 7速デュアルクラッチ 重量 1670キロ フェラーリ・カリフォルニアT 価格 2450万円 エンジン型式 V8 3. 9リッターツインターボ エンジン出力 560馬力 最高速 時速316キロ 0-100キロ加速 3. 6秒 駆動方式 RWD トランスミッション 7速デュアルクラッチ 重量 1625キロ 話をアストンマーティンDB11に戻すと、その特徴は発表時のプレスリリースによると下記の通りとなっていますが、ここで注目に値するのは「エアロダイナミクス」。 動画も公開されていますが、この考え方は秀逸、と言って良いでしょう。 関連投稿 アストンマーティンDB11のエアロダイナミクスはこう働く。 解説動画が公開に ・新設計アルミプラットフォームを採用 ・サスペンション:F ダブルウィッシュボーン、R マルチリンク「アダプティブ・ダンピング・システム」を装備 ・エアロダイナミクスを追求し、前から入り込んだ空気をフロントフェンダー後方のスリットから排出し車体前部のリフトを抑制 ・Cピラーインテークから空気を取り込み、リア上面から出すことでダウンフォースを増加 ・ステアリングスイッチにより、走行モードを「GT」「スポーツ」「スポーツ+」に切り替えることにより、ダンパー減衰力、エンジン特性、トランスミッション変速スピード、パワーステアリングフィードバック、トルクベクタリングシステム制御を変更可能 ・最新インフォテインメントシステムを採用 ・オプションでタッチパッドも用意 ・安全装備として、「オート・パーキング・アシスト」、「360度バーズアイ・ビュー」を採用 前置きがいつになく長くなりましたが試乗に移りましょう。 まずはスタイリングチェック。 ヴァンキッシュに近いスタイルとも言えますが、より長く低く、伸びやかにスタイリッシュになっているように見えますね(アストンマーティンの例によって、画像よりも実物の方がずっと格好良い)。 ただしモール類などの付与、もしくは形状(直線と曲線、平面と曲面が組み合わせられた複雑な形状)のリファインで大きく質感が向上。 ショールームに展示してある他のアストンマーティンと比べると、やはり「最新」ということを強く感じさせられ、イメージ的には「二世代ほど進化した」ような印象を受けます。 関連投稿 こちらはバンキッシュ。 メルセデス・ベンツとの提携の恩恵で一気に近代化されており、かつ質感も向上。 これまでのアストンマーティンも質感は非常に高いと感じていましたが、それを大きく超える完成度ですね。 なお、センターコンソールは電動にて「スライド開閉」。 この部分について電動の必要性は全くないのですが、これは「ボンドカー風」の演出だと思われ、僕はこういった部分こそが重要だ、と考えています。 このセンターコンソールはかなり大きく、ここにハンドガンやスパイ小道具を収納したくなるところ(ぼくがDB11を購入したら必ずそうする)。 メーターはフルデジタル式で、かなり彩度の高い液晶を使用しています。 ドアを開けて乗り込みますが、アストンマーティンの美点はこのドアにも感じられ、まずは「ちょっと斜め上に開く」スワンスイングドア。 これによって狭い場所でも足元を広く確保できるわけですね。 加えてダンパーによって「どこでもストップするドア」。 ラッチ式ではないので三段階や四段階といった感じではなく、「無段階」に開き、どこでもドアを止めることができます。 サイドシルは太く分厚く、この辺りランボルギーニ・ウラカン、フェラーリ・カリフォルニア、ポルシェ911ターボよりもかなりゴツいのが意外ですが、これがまた走りを予感させる部分ですね。 そのサイドシルをまたいで上質なレザーを使用したシートに腰を下ろしますが、このシートがこれまた秀逸。 柔らかすぎず硬すぎず、それでいてしっかり体をホールド。 まずどんな状況でも体がずれることはなさそうなシートです。 操作系についてはこれまでと大きく変わることはないようですが、パドル、ドアインナーハンドルなどの質感が大きく向上。 センターコンソール上のタッチパッド(オプション)もメルセデス・ベンツからの技術かと思われます。 ドアを閉めるとかなり「タイト」な印象を受け、それは太く高いセンターコンソール、高めのベルトラインに起因する模様。 ジャガーFタイプからも同じ印象を受けますが、この「タイト」さが英国のスポーツカーを象徴していると言って良いでしょう。 エンジンのスタートはセンターコンソールのスタートボタンを押すことで行いますが、これはポチッとワンタッチで押した時、長押しで始動音を変えることができ、長押しで(多分)サイレントモードに。 これは早朝に車を出す時にうれしい機能ですね。 レザーのグレードは3種類あり、試乗車は「真ん中」のグレードとのことですが、これまでに触ったことがないような「しっとりとした、吸い付くような」手触りで、ここはさすがアストンマーティン。 とりあえず「D」レンジに入れて車を発進させますが、クリープは結構強め(慣れると運転しやすい)。 まず感じるのは「静か」「しっとり、どっしりしている」ということで、スポーツカーというよりは高級車のような印象。 なお静かさは特筆すべきレベルで、DB11試乗の後にウラカンに乗ると、ウラカンのウインドウを閉めていても「ウインドウが全部開いているんじゃないか」と疑いたくなるほど室内に入り込む騒音には差異があります(ウラカンの名誉のために記載しておくと、ウラカンのウインドウは軽量化のためにかなり薄くなっていると思われる)。 面白いのは「エンジンレスポンス」と「サスペンション」を個別に設定できるところで、エンジンレスポンスを「S+(レスポンスが鋭く、高回転まで引っ張る設定になり、エキゾーストサウンドも大きく)」にしてサスペンションを「GT(柔らかい)」のままにしておくことも可能。 一部メルセデスAMGでは「個別」に設定できるエンジンレスポンスとサスペンションですが、多くの車はこれらが連動して変化するので、個別に設定できるのは優れた部分、と言えますね(柔らかいい足回りのままでサウンドを楽しみたいときもある)。 なお足回りについては、最も硬い「S+」でウラカンの標準と同じくらい(つまりウラカンは相当に硬い)。 とにかくGTモードでの乗り心地の良さは特筆すべきものがあり、路面に吸い付くような上質な乗り心地。 一方で「S+」に入れると(モードごとにメーターのスケールのカラーが変わるなど演出も十分)路面の凹凸をモロに伝えるダイレクトな足回りとなり、性格も豹変。 エキゾーストサウンドについては「GT」と「S+」では感覚上「倍くらい音量が違う」ように感じられ、多くのスポーツカーのスポーツエキゾーストで「変わったかな?」というくらいの変化しかないのとは対照的。 これは回転数を上げなくともアイドリング状態でも全然変わります(ちなみに振動はなく、リズミカルな破裂音のみが室内に届く。 これはメルセデスAMGに似ている)。 慣れてきたところでちょっと踏んでみますが、これには正直びっくり。 普通の車の感覚でアクセルをぐっと踏み込むといきなりテールが暴れ出すほどの強大なトルクを発生。 しかもAT(ZFのトルコン)なのにシングルクラッチ並みのガツン!という変速ショックを演出し、その都度車体を揺すられるほどの乱暴さ。 もちろんこれは意図的な設定ですが、その凶暴さには驚かされ、ものの本で「アストンマーティンの外観に騙されてはいけない。 基本的には英国のライウエイトスポーツと同じで、スーパー7に高級なガワを被せただけのものだ」と書かれていたことを思い出します(英国人は過激)。 おそらくコーナリング中にアクセルを踏むと豪快にテールスライドするんだろうなと思いながらスピンしないようにステアリングを中立に戻してからアクセルを踏むようにしましたが、とにかくこれにはびっくりするとともに「何て面白い車なんだ」と感じることに。 なお車両のバランスは非常に良いようで、ステリングについても回頭性が良く、フロントにV12エンジンを積んでいるとは思えないほど。 面白いように曲がりますし、さらにはアクセルで自由自在に方向性を変えることができる車でもあり、FRの手本とも言えるようなセッティング。 この辺り全くサイズを感じさせず、イギリス車らしい、「ライトウエイトスポーツ」的な部分も持ち合わせた車でもありますね。 こういったところを見るにあたり、アストンマーティンDB11は絶対的な加速や最高速度を誇るたぐいの車ではなく、「自分が楽しいと思えればそれでいい」という、英國っぽい頑固な個人主義が反映された車のように思われ、「他人は他人、自分は自分」という考え方が反映されているようですね。 なおぼくの経験上ですが、英国人は見栄よりも実利を取る傾向があり、住宅にしても、見た目は質素でも中に入ると豪華であったり、その人の趣味に合わせて快適さを追求していたり、住みやすい環境を作り上げているように思います。 「人の目を気にせず、自分がいいと思うもの」を追求する姿勢が英国にはあると思われ、そういった思想がアストンマーティンにも反映されているのかもしれません。 その意味では「競合」といえる車はなく、指名買いで購入される性質を持っている車と考えられ、実際にこの車に触れ、乗ってみて波長が合えば文句なしに「買い」。 強いてあげるとすれば、ぼく的にアストンマーティンDB11のライバルと言えるのは「フェラーリ・カリフォルニアT」なんじゃないか、という印象。 FRというレイアウトも近いですが、何よりGT的な性格が似ており、「ゆったり乗っても、気合を入れて走ってもOK」というところも共通している、と思います。 アストンマーティンDB11について、GTモード時のジェントルさ、S+モードでの凶暴さ、そしてゆっくり走らせた時のマイルドさ、ガツンと踏んだ時に見せる野獣のような一面は英国人作家、ロバート・ルイス・スティーヴンソン氏の著書「ジキル博士とハイド氏」のようだ、とも。 最近のハイパフォーマンスカーはいずれもドライブモードを供えますが、ぼくが運転した中ではアストンマーティンDB11ほど「落差」が大きなものはなく、その性格の豹変度合いにはただただ驚かされるばかりですね。 なおサウンドについては自然吸気っぽい音でターボ特有のこもり音は感じられず、ライオンが耳元で吠えるようなあの「アストンマーティンならでは」のV12サウンドは健在。 加えてこの品質と装備、最新のエアロダイナミクス、英国紳士的な気質や007気分に浸れる演出、V12エンジンのパンチ(しかもターボ)とそのサウンドを考えるとこの価格は「かなり安い」と言えますね。 正直なところ「数字」だけを事前に見ていて「意外と遅い」と判断していた自分が恥ずかしくなるほど「数字の持つ無意味さ」、そしてぼくらは数字の上に乗るわけではない、ということを教えてくれた車であったと思います。

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